ワイルドサイド抜け作

岩手旅行① マウンテン・ビュー・フォー・ユー

【1日目 9/14】

 朝5時半頃に家を出て、新神戸から新幹線に乗車。実家のある岡山から乗ってきた母の隣に座り、ケルンで買ってきたコッペパンを朝食にしながら雑談。関東まで空はずっと厚い雲に覆われていて、富士山も麓のわずかな稜線しか見えなかった。柴田聡子のようにはいかない。スプライトも買い忘れた。新横浜で父が乗ってきて、東京で降りて乗り換え先のホームで妹と合流。家族揃って東北新幹線へ乗る。4人で出かけるのは5年ぶりか。

 昼ごろ盛岡駅に到着。駅ビルで冷麺を食べ、レンタカーを借りて国道4号線を北へ走る。少し郊外に出ただけで街の建物がだだっ広い牧草地に変わり、奥には雄大岩手山がそびえていた。雲は多いけどよく晴れていて、途中で寄ったコンビニの駐車場で深呼吸すると、カラリと乾いた涼しい空気が入ってくる。まさに賢治の言う“夏でも底に冷たさを持つ青いそら”だと思った(9月だけど)。雪の積もる正月に来ていた子供の頃は気候が違いすぎて分からなかったけど、やっぱり西日本とははっきり違う。カーナビ操作が苦手な母の代わりに助手席に移り、グローブボックスを開けると中からステレオミニプラグが伸びている。3人に許可を得てiPhoneを接続!レンタカーってこういうハイテクがあるのか。とりあえずなるたけ爽やかなやつを、とHYUKOHの新譜を選ぶ。

 左手背後にだんだん遠くなる岩手山には少し雲がかかっている。右手背後には岩手山よりもやや低い先の尖った山。父が話し始めたことには、この姫神山と岩手山、そのどちらかに“だけ”雲がかかっている光景がとても多いのだという。2つの山の“夫婦別れ”と呼ばれるこの現象にちなんで、山の神が浮気だの別れ話だのですったもんだする神話が残っているらしい。実際話のあとの道中、姫神山の山頂に雲がかかっているのを見つけ、あわてて岩手山の方を見るともう晴れていたのだった。不思議だなあ。

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